目次
① 新NISAで「損しないか」不安な人へ
「新NISAで投資を始めたいけど、暴落が来たらどうするの?」「積み立てを続けていって、最終的に元本割れしてしまったら…」「投資はギャンブル」「NISAは国の陰謀」
こうした不安の声は、投資初心者だけでなく、経験者の間でもよく聞かれます。
しかし、結論から言えば、S&P500やオルカン(全世界株式)といったインデックスファンドは、過去20年〜30年の運用実績を見れば、「長期で見ればほぼプラス」になることがデータで証明されている投資対象です。
本記事では、過去の暴落と回復状況、S&P500・オルカンの長期運用データ、新NISAとの相性までを詳しく解説しながら、「なぜ暴落を気にせず積立投資を続けるべきなのか?」を僕の経験を踏まえてお伝えします。

② 暴落が怖いのは“短期で見すぎ”だから
投資初心者がもっとも恐れているのが「暴落」です。実際、以下のような歴史的ショックが市場を揺るがしてきました。
- リーマンショック(2008年):S&P500 −56%
- コロナショック(2020年):−34%の急落
- 米中関税ショック(2018年):−20%前後の調整
こうした暴落で一時的に大きく資産が減ることはショックですが、「一時的な下落=回復までの時間」という視点で捉えることが大切です。下の画像はリーマンショック時の株価の推移ですが、短期的に見た場合は株価は下落して資産が減ってしまいますが、次の章で紹介する長期データでは株価は暴落前よりも上昇していることが確認できるかと思います。

株式市場は上下動を繰り返しながら、長期的には成長していく構造を持っています。たとえば、S&P500を1年保有した場合のリターンは約70%がプラス。10年保有なら約94%、20年ではほぼ100%がプラスです。
「暴落が怖い」という感情は、「短期で投資成果を見ようとしている」からこそ生まれます。視点を“長期”に変えるだけで、不要な不安はぐっと減らせるのです。暴落してるタイミングで売らなければマイナスになりません。
③ S&P500の過去20〜30年データ:長期ならどうなった?
S&P500は米国の代表的な企業500社で構成された株価指数で、過去30年近くにわたり、年平均6〜8%のリターンを出してきました。
特に注目すべきは「ローリング20年リターン」です。これは、どの20年間を切り取ってもリターンがどうだったかを見るものですが、過去70年以上にわたってS&P500を20年間保有して損をしたケースは一度もありません。また、年末までホールドすればほとんど回復しているケースが多いです。
たとえば、2007年のリーマンショック直前に一括投資してしまったとしても、その後の20年でプラスリターンになっている可能性が非常に高いといえます。今回のトランプの関税ショックで僕も一時はマイナスになりましたが、2025年6月時点でS&P500はプラスに転じています。
また、積立投資(ドルコスト平均法)であれば、暴落時により多くの口数を買うことができ、回復局面でより大きなリターンを得られる傾向にあります。
「時間を味方につける」ことが、インデックス投資の最大の武器なのです。
実際のチャートが下の画像になります。上下を繰り返しながら上昇を続けるので、暴落が起きても持ち続けることが大切です。

④ オルカン(全世界株)も同様に安定するのか?
「オルカン(全世界株式)」は、米国・日本・欧州・新興国など世界中の企業に分散投資できるインデックスファンドです。
構成比の約60%がアメリカで占められているため、S&P500の成長を取り込みながら、他地域のリスク分散も期待できる設計です。
S&P500と比べてリターンはやや控えめですが、その分「大きく負けにくい」という特徴があります。暴落時の下落幅も比較的マイルドで、堅実に回復していく傾向があります。
「米国一本が不安」「どの国が成長するかわからない」場合には、オルカンのような広く分散された投資先が心の安定にもつながるでしょう。

⑤ どちらを選ぶべきか?S&P500とオルカンの比較
| 比較項目 | S&P500 | オルカン(全世界株) |
|---|---|---|
| 投資対象 | 米国500社 | 先進国+新興国すべて |
| リターンの高さ | ◎(米国成長) | ◯(世界分散で安定) |
| 暴落時の耐性 | △(米国一本) | ◎(地域分散) |
| リスク分散性 | △ | ◎ |
| 通貨リスク | ドル中心 | 通貨分散あり |
| 継続しやすさ | ◎(シンプル) | ◯(やや複雑) |
結論としては、「S&P500でもオルカンでもOK」。どちらを選んでも、新NISAの枠内でコツコツ積み立てていけば、長期的には資産をしっかり育てることができます。
リターンを重視したい人はS&P500。分散や安心感を重視したい人はオルカン。大切なのは「自分が納得できて、継続できる商品を選ぶこと」です

⑥ 新NISAで長期投資が報われやすい理由
新NISA制度の大きな特徴は、年間360万円・最長で1,800万円まで投資枠があり、そこで得た利益はすべて非課税になるという点です。
たとえば、毎月3万円を20年間積み立てたとすると、元本は720万円。S&P500の平均リターン7%で運用した場合、最終的には約1,470万円に成長します。
その差額=利益750万円に対し、通常の課税口座では約20%(150万円)の税金がかかるところ、新NISAならそれが丸ごと手元に残ります。
しかも、新NISAは非課税の期間無期限に延長されたため、「売らずに持ち続けるインセンティブ」がずっと続く非常に強い制度でもあります。時間をかけると複利が続くのでどんどん資産が増加します。
つまり、新NISAとインデックス長期投資の相性は抜群。時間、複利、非課税——この3つの武器を同時に活かせる仕組みなのです。この制度があるうちは利用して損はないと思います。

⑦ 暴落時でも安心するための心構えとテクニック
「下がったら怖くて売ってしまいそう」というのは、多くの人が感じることです。しかし、それを回避するための方法はあります。
- 自動積立設定で“相場を見ない仕組み”を作る:毎月決まった日に自動引き落としで購入することで、相場を気にする必要がなくなります。投資で一番成功する人は「投資していることを忘れた人」、「亡くなった人」と言われるくらいです。
- 「下がったときに多く買える」と考える:ドルコスト平均法の利点は、価格が下がったときにより多くの口数を買えること。これが将来のリターンを押し上げます。タイミングを気にせず済むので初心者におすすめです。
- ニュースやSNSから離れる:相場が荒れている時ほど、悲観的な情報が飛び交います。過剰に情報を取りすぎず、自分の方針に集中することが大切です。特にYouTubeやSNSは、旬な情報や過激なことを発信した方が伸びるので、ノイズとなる情報を目にしやすくなります。
- 周囲と比較しない:他人と比べても意味はありません。自分のペースで、自分の目的のために投資を続けましょう。
投資で大切なのは「何を買うか」ではなく、「どう行動するか」。やるべきことは“売らずに続ける”だけです。

⑧ まとめ:長期投資は“続けるだけ”で勝てる
- S&P500もオルカンも、過去の暴落を乗り越えて確実に成長してきた
- 20年以上の長期保有で、ほぼプラスになる統計的データあり
- 新NISAは「非課税×複利×長期」の最強制度
- 暴落が来ても慌てず、積立を止めず、売らずに持ち続ける
インデックス投資で重要なのは、「時間」と「継続力」。どちらを選んでも、やることは同じです。
まずは月1万円からでも、新NISAの積立をスタートしてみましょう。未来のあなたが、きっと「始めてよかった」と思えるはずです。
それではまた!


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